葉山町商工会メンバー様向け伴走支援を実施しています

葉山町商工会様からの受託で、商工会メンバーの希望者の皆様への私たちのメンバーが伴走支援を実施しました。昨年から延べ10名の皆様に対して実施しております。

創業支援、事業計画支援など6回コースで支援

この伴走支援は、葉山町商工会が会員事業者向けに実施した全6回のプログラムです。創業を検討している方から、すでに事業を営んでいて次の一手を考えている方までを対象に、経営課題の整理から事業計画の作成、実行段階のフォローアップまでを、私たちのメンバー、中小企業診断士が継続的に関与しながら進めました。

セミナーのように「一度話を聞いて終わり」ではなく、回を重ねながら各社の状況に合わせて計画を磨き込んでいくのが、この支援プログラムの最大の特徴です。

ところで、こうした商工会の伴走支援がどのような仕組みで成り立っているのか皆さんご存じでしょうか。

商工会の伴走支援の背景

「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法/平成5年法律第51号)」というのがありまして、商工会・商工会議所が行う相談・指導などを「経営改善普及事業」として定め、平成26年の改正では、その中に経営戦略に踏み込んだ支援を行う「経営発達支援事業」が新たに位置づけられました。商工会が作成する「経営発達支援計画」を経済産業大臣が認定して、活動に対してお金を出す仕組みです。

同法第5条には、経営状況の分析、事業計画の策定と実行に関する指導・助言、需要動向や地域経済動向の情報提供などがあり、これに基づいて支援が行われています。

令和元年の改正で市町村との共同作成や経営指導員の関与も加わり、行政と一体で小規模事業者を支える建て付けになっています。葉山町商工会様でも経営発達支援計画を、町といっしょに策定しており、これに則って皆様への支援を実施されています。

支援費用はどうなっている?

会員の皆様から見ると、商工会の相談や指導は「無料」で受けられますよね。では、その費用はどこから出ているのでしょうか。大きく次の4つが組み合わされています。

  • ①都道府県の補助金(小規模事業経営支援事業費補助金など)
    都道府県が予算化している事業者向けの補助金です。
  • ②国(中小企業庁)の補助事業
    経営発達支援計画の認定を受けた商工会・商工会議所が取り組む計画策定支援や専門家活用などに対して、国の補助(いわゆる伴走型小規模事業者支援推進事業など)が用意されています。
  • ③市町村からの補助金・委託費
    地域の商工振興策として、市町村が商工会に補助金を交付したり、事業を委託したりするケースです。
  • ④会員の会費および事業収入
    会費などの事業収入が、上記の公的資金を補う自主財源となります。

目的と意義 ― 「考え続ける力」を育てる

自己変革に向けた5つの障壁(中小企業庁 経営力再構築伴走支援ガイドライン)
図 自己変革に向けた5つの障壁(出典:中小企業庁「経営力再構築伴走支援ガイドライン」令和5年6月)

法制度が掲げるのは、一言でいえば小規模事業者の「事業の持続的発展」です。目指すのは、経営者自身が課題を見つけ、判断し、動けるようになること――いわば「自己変革」です。これがなかなかに難しいのです。上図のように、5つの壁があるというのが国のガイドラインに記載されており、私たちの認識もその通りです。そこで私たちは下記のような支援を実施しています。

  • ①見えない → 見える化する
    事業者の経営可視化、現状把握の支援
  • ②向き合わない
    ①で認識した現状を直視して、経営課題の設定支援
  • ③実行できない
    経営課題の実施計画支援。組織内外のしがらみや経営者の心理的障壁を取り払う。
  • ④付いてこない
    現場従業員、取引先など関係者を巻き込む組織化支援
  • ⑤足りない
    人、モノ、金、経験の不足を補う事業企画支援、補助金活用や融資活用、事業者連携など経営資源の拡充支援

単発の助成や一度きりの助言では経営力は育ちません。全体を網羅して必要なところに寄り添いながら支援をしていきたいと考えています。

会員の皆様へ ― 「使える制度」として知っておいていただきたいこと

商工会の伴走支援は、法律に則って、公的資金に支えられ、地域経済の維持という明確な政策目的をもった仕組みです。したがって、遠慮して使わないのはもったいない制度でもあります。

「まだ計画が固まっていない」「相談するほどの内容ではない」という段階でも構いません。むしろ、方向性を決める前の段階でこそ、第三者と一緒に整理する価値があります。創業、事業計画、販路開拓、補助金の活用、事業承継など、テーマは問わずご相談いただけます。

なんでもご相談ください

三浦湘南共創ネットワークでは、マーケティング、財務、事業戦略、IT活用に精通した中小企業診断士が、企業の経営課題の整理から事業計画・成長戦略の策定、デジタル化、補助金活用まで幅広くサポートしています。

商工会・商工会議所との連携による会員向けの伴走支援プログラム、セミナー、個別相談も承っております。創業をお考えの方、次の成長に向けた計画づくりを検討されている事業者の皆さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

(文責 藤井 寿隆)

参考資料

伴走支援の考え方や実施体制については、国から図表を含む資料が公開されています。引用・参照される場合は、下記をご覧ください。

・「経営力再構築伴走支援ガイドライン」(中小企業庁/中小企業基盤整備機構/経営力再構築伴走支援推進協議会、令和5年6月)
支援の三要素(対話と傾聴による信頼関係の構築/気づきを促す課題設定型コンサルテーション/経営者の自走化に向けた内発的動機づけと潜在力の引き出し)や、事業者の規模・局面別に支援機関の役割を整理した図表(図表7)が掲載されています。小規模事業者は商工会・商工会議所・中小企業団体中央会の支援対象として位置づけられています。
https://www.smrj.go.jp/sme/consulting/hands-on/fbrion0000004i8q-att/guideline.pdf

・「中小企業伴走支援モデルの再構築について」(伴走支援の在り方研究会 報告書、令和4年3月15日)
「経営力再構築伴走支援モデル」を提唱した報告書で、支援モデルの全体像を示す概念図が収録されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/bansou/report/report.pdf

・「経営発達支援計画について」(中小企業庁)
小規模事業者支援法に基づく経営発達支援計画の制度概要と認定状況がまとめられています。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/nintei.html

・「経営発達支援計画の概要」(葉山町商工会・葉山町)
今回の実施主体である葉山町商工会が葉山町と共同で作成した計画の概要です。行政・専門家・地域金融機関と連携し、小規模事業者の課題解決や経営力向上、創業・事業承継を伴走型で支援するという商工会の役割が示されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/ninteikeikaku/download/14-07.pdf

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