新型コロナ関連倒産企業からの考察 (その2)

経営の定期健康診断のすすめ

(2021年9月20日)

中小企業診断士の武田です。

前回の私のブログは、帝国データバンク情報部編纂『コロナ倒産の真実』(2021年5月発刊 日経BP社)を読み解き、コロナ関連倒産の特徴についてマクロ的に観察をしてきました。

本書の後半では、コロナ関連倒産に至った実企業を過去に遡り、その企業の遍歴まで調査を行い、倒産の真因について分析をしています。そこには、業界を超えた興味深い経営の実態が書かれており、コロナ禍は単に倒産の引き金となったに過ぎず、真因は別のところにあったのではないかと考察をしています。

コロナ感染倒産事例企業の倒産までの経緯

■アパレル業界

■娯楽業界

■旅行業界

■飲食業界

■製造業

■その他業種

いかがでしょうか。

これらの倒産事例から、コロナ禍は引き金であって、倒産に至るその真因は、既にコロナ禍以前より企業経営を蝕んでいたことが解ります。特に、過度な拡大路線や不正会計を含むコンプライアンス違反が多数見受けられます。また、業界は異なるものの、それまでの成功体験から環境の変化に対応を怠った事業判断のミスが倒産に繋がった例も複数ありました。

日ごろから、経営の定期健康診断を

私は、前職で経営監査の仕事に従事していました。

繰り返される企業のコンプライアンス違反に対し世の中から厳しい目が注がれ、日本でもここ数年、コーポレート・ガバナンス改革が進んできました。しかし、経営資源が厳しい中小企業には、監査役監査や業務監査の取り組みは、難しいのが実態です。

今回、コロナ関連倒産について考察してみて、世の中全体が天災や感染症のような想像を超える事業環境に陥ったときに、いかに経営の健康を維持できているかを定期的に確認する事業監査は、中小企業にとっても、事業存続に向けたいへん重要な取り組みではないでしょうか。

年に1度は、健康診断や人間ドックを受診される経営者の方は多いと思います。企業経営についても、年に1度は、定期健康診断をお勧めします。

とは言え、中小企業にとって、監査役や専任のスタッフを配置することは容易ではありません。

そのような時、三浦湘南共創ネットワークにご相談ください。

参考文献:

・株式会社帝国データバンク 情報部(2021年5月)『コロナ倒産の真相』 日経BP社

・株式会社帝国データバンク 『別企画:「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査』

https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/pdf/tosan.pdf

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