ビジネスチャットご紹介ー小規模企業のDX①
皆様 三浦湘南共創ネットワーク 中小企業診断士 藤井です。
いよいよ暖かくなってきましたね、桜も咲くいい季節というところですが、世はロシアのウクライナ侵攻で騒然! 困ったものです。
さて、本日からシリーズで、小規模企業の皆さん向けのデジタルツール(ソフトとかアプリとか言われているものです。)についてご紹介しようと思います。「”DX” なんて世の中では騒いでいるけど、うちなんかには全然関係ないよ。」と言われる社長さん、ちょっと新しいエクスピアリアンス(デジタル世界の経験)を試してみませんか。耳慣れないものもあるかもしれませんが、無料プランでも使えて、すぐに仕事の役に立つものをご紹介していこうと思います。
初回は、ビジネスチャットです。
コミュニケーションツール:ビジネスチャット
のご紹介です。
LINEをお使いの方は多いと思います。当家のコミュニケーションも最近、会話よりLINEです。いつでも気にせずおしゃべりや、感想を述べて写真も貼れる気軽なツールですよね。町内会やPTAの連絡網とかにはよく使われていますよね。でも、やはり仕事となると不安があります。
LINEで仕事をするときの問題は何かというと、①会話が流れて行ってしまって過去のものを見ようとすると大変。②端末を変えるとメッセージが消えてしまう。③仕事に必要なExcelファイルなどを共有表示できない、などやはり友達や家族の気軽なチャットと通話に重点を絞って使いやすくしたための問題点が表れてしまうわけです。逆に言えば、機能を絞って使いやすくしたおかげで、LINEは皆さんの家庭に広がったのでした。
このような問題点を解消するツールは、ビジネスチャットと呼ばれています。機能としては、下表の4つです。
ビジネスチャットの機能
ビジネスチャットの機能 | 効果 | |
① | グループ作成 | 社内、社外を問わず仕事のグループ を簡単に作成できる |
② | ファイル/メッセージ共有 | 過去のメッセージを保管・検索できる、 ファイルを共有できる |
③ | スケジュール | スケジュールを必要な人と共有できる 、会議設定ができる |
④ | TODOリスト | TODOリストが作れる、グループメンバー と共有できる |
⑤ | コミュニケーション | メンバーとのチャット、通話、 TV会議ができる |
歴史を紐解きますと、1990年代にグループウェアと呼ばれるソフトウェアが出現しました。グループウェアの基本的な機能は表の①~④でした。
米国製だとロータスノーツ(その後IBMノーツ)とか、日本では今も元気にコマーシャルしてるサイボウズが草分けですが、昔は電子メールとスケジュール管理、TODOリストのソフトウェアを合体したものでした。でもメールでは面倒だ!というので、現在のLINEのように気軽なチャット形式のコミュニケーションツールが主流になり、しかもTV会議まで統合されてきたのです。
Slack
この分野の老舗は、Slack Technologies Inc.というアメリカの会社です。先ごろ、Sales Forceと言うビジネスソフトの会社が、このSlack社を2.9兆円で買収して話題になりました。この会社の看板商品がSlackです。メッセージ1万件まで無料で使えるので、私たちも非常に重宝しており、現在、当法人の連絡網は無料Slackです。Slack自体は、グループチャットとファイルの共有が主な機能となるのですが、ソフトウェアエンジニアの人たちの連絡ツールが発展したものなので、ご存じZOOM(TV会議)や、他社のスケジュール管理ソフト、あるいはファイル管理サービス等と組み合わせが自在にできて、多彩な機能を実現することができます。
Microsoft Teams
Slackに負けたくないMicrosoftは、Teamsというビジネスチャット+会議システムを開発して、巻き返しに出ています。TeamsもMicrosoftアカウントに登録すれば無料で、チャットだけでなく統合されたTV会議機能も使えます。全社規模ですでにMicrosoft Office(Microsoft365)を導入しておられる企業の方は、メールやスケジュールを担うOutlookと組み合わせてTeamsを使うメリットは大きいと思います。ただOfficeの全社での継続的な利用はある意味重税です。小規模ビジネスではどこまでの機能を使うべきか要検討ですね。
LINE WORKS
LINEWORKSはビジネスチャットとしては後発ですが、LINEの易しさを継承するという特徴で、現場の皆さんを引き付けそうです。国内ではChatworkという老舗ツールもありますが、特に小規模事業者向けに伸びる可能性があると感じますので、このシリーズでは、LINEWORKSを取り上げることにします。LINEではできなかったファイル共有や、メッセージ検索/保存、セキュリティについても調査していきたいと思います。
※Microsoft Teams、Microsoft Office, Outlook はMicrosoft社の商標です。
※Slack は、Slack Technologies Inc. の商標です。
※LINEWORKSは、ワークスモバイル株式会社の商標です。