補助金について③主な補助金の種類
No3. 主な補助金の種類
2022年5月2日 延吉 良一
1.はじめに
前回の1回目で補助金の概要とポイントについて投稿しました。今回はもう少し踏み込んで、主な国の補助金の種類と内容の概要について説明します。
(1)中華料理店で急速冷凍機導入、テイクアウト餃子を実現
― 小規模事業者持続化補助金 ―
小規模事業者が事業計画に沿って販路開拓・新商品開発等に向けた取り組みを行うことを支援する制度です。チラシの作成やWebページ制作、機械導入、店舗改装などの取り組みに対して補助を受けることができます。
例) 当店は地元に愛される中華料理屋です。手作り餃子に強みがあります。しかし、コロナ禍でお客様が来店を控えるようになり、売上が減少していました。
⇒ 持続化補助金を活用して急速冷凍機を導入しました。当店自慢の味をご家庭でも楽しんでいただけるようになりました。Webページを制作し、通信販売も検討中しています。
(2)自然風味の調味料を混ぜ込んだ新感覚の豆腐の製造を実現!
― ものつくり補助金 ―
企業における革新的な開発や生産性の向上のための設備投資に対して、資金を補助する制度です。給付を受けるには、今後の成長性や高い収益性が期待できる分野として認められることが条件となります。
例) 当豆腐販売会社は地元の大豆とにがりを使ったこだわりの味が特徴です。しかし近年、味付けや調理しないとそのままでは食べられないという理由で若者層の豆腐離れが進行しています。
⇒ 自然風味の調味料を混ぜ込みながらも、豆腐の凝固反応を阻害しない革新的な製造方法を取り入れました。調味料成分を特殊コーティングできる革新的な設備をものつくり補助金を活用し、導入することができました。お客様に好評で、販売・売上上昇中です。
(3)洋菓子から自然酵母を使った健康パンの製造販売に事業転換、長年培ってきた商品開発力を発揮
― 事業再構築補助金 ー
新分野展開や業態変更など新しいこと挑戦していく意欲のある中小企業をサポートする制度です。売上が減少している中小企業が対象となります。補助額は企業規模などによって異なりますが、高額の補助が受けられます。
例) 当店は地元素材にこだわった人気の洋菓子店で、県内に5軒出店中です。しかし、コロナ禍で売上が大幅に減少しました。
⇒ 当社強みの商品開発力を生かし、自然酵母を使った健康パンの製造販売に事業転換しました。事業再構築補助金活用して、新規生産ラインを導入したのが決め手でした。お客様にその場で見ていただく体験型店舗にして、当店の魅力を発信しています。仕入れ先の地域の小麦粉や卵屋さんも売上増加中です。
(4)老舗の惣菜屋がECサイトを構築、非対面型販売へ
― IT導入補助金 ―
業務効率化を目的にITツールを導入する事業者に対して、その経費の一部を補助する制度です。
例)当社は老舗の惣菜屋です。コロナ禍で売上減少。
⇒ 現在稼働中のPOSシステムと連動したECサイトをIT導入補助金で構築しました。売上が増加しています。非対面ですので、お客様は安全に買い物を楽しんでいただいています。従業員も安心して仕事に従事してくれています。
次回からは、それぞれの補助金について取り上げていきます。