道の駅 田園プラザ川場見学
葉山町商工会 商業視察研修:田園プラザ川場に参加してきました
みなさん、こんにちは。地元横須賀の中小企業診断士、三浦湘南共創ネットワークの武田です。
今回は、葉山町商工会 商業視察研修で、群馬県川場村(沼田市のお隣です)の「道の駅 田園プラザ川場」を見学させていただきました(2024年1月17日 )。感じることも多く、ブログに書き起こすことにしました。
私たちが加盟する葉山町商工会さんの研修ツァーですが、今回初参加。暖冬気味の今冬ですが、この日の葉山は、3℃とこの冬一番の冷え込み、早朝7:00にハヤマステーションから、バスで一路、群馬県の川場村に向かいました。参加者は、葉山町商工会会員の32名です。
圏央道、関越道経由で、11:00には、田園プラザ川場に到着しましたが、最近の冷え込みで、あたり銀世界です。
全国から注目を集める川場村
川場村は、群馬県北部にある人口3,300人の村です。村の基幹産業は農業で、1971年には、過疎地域に指定を受ける過疎の山村でした。(2000年には指定解除)村の総面積は85㎢、葉山町と比べると面積は、約5倍、人口は約1/10の村落です。このような川場村ですが、コロナ禍前の2019年入込客は、242万人で、これは、葉山町の年間観光客66万人の3.7倍に相当する人数です。村にとって、観光は農業同様、雇用を支える基幹産業となっています。
https://www.vill.kawaba.gunma.jp/
川場村は、一日にしてならず
では、そのような過疎の村が、どのようにして、今日のような全国有数の観光の村となったのかひもといてみましょう。
川場村は、過疎地域に指定された後、「農業+観光」で村おこしに取り組み、1977年その第一弾の観光拠点整備として、D51機関車と客車を当時の国鉄から譲り受け、SL列車ホテルを開業しました。
次いで、1979年、世田谷区の「区民健康村づくり」プロジェクトに応募、川場村の「農業プラス観光」の田園休暇村構想が、世田谷区の「第二のふるさと」健康村構想と合致し、1981年に協定を締結しました。その後、体験農業プログラムを組み込んだ農家民泊など、近年、流行の体験型ツアーの先駆けとなる取り組みと言えるのではないでしょうか。この事業は、世田谷区の全小学校の林間学校や一般区民を対象とした、文化交流、里山づくり、農業塾などに発展していきました。
また、川場農産物のブランド化の取り組みが推進され、世田谷区内の小売店の店頭に川場産の商品が並ぶようになり、特に、農畜産物加工品の製造、新製品開発にドライブがかかったそうです。
川場田園プラザのオープン
このような歴史を経過し、次の発展に向けた事業構想が村で論議され、1993年、第三セクター・株式会社田園プラザ川場が設立されました。総事業費は、当時の村の年間財政規模を超える31億円で、これを国の補助金30%、県の補助金30%、観光協会の出資30%、村の出資10%で実現したとのことです。(ちなみに、2022年度の村の歳出総額が37億円でした。当時の財政規模を考えると、村長や関係者の決断に驚かされます)
全国の道の駅を調査する、「AROUND JAPAN」によれば、川場田園プラザの売上は約10億円(1日平均にすると、何と270万円)で、年間の来訪者は120万人ということです。
川場田園プラザについては、ここで、長々と書くよりも、ホームページをご覧ください。
↓↓ 道の駅 川場田園プラザはこちらから ↓↓
お客様の、そして村民のための川場田園プラザ
川場田園プラザは、旅行雑誌「じゃらん」の道の駅ランキングで2022年、2023年と2年連続で1位となり、年間120万人超を集める施設となりました。
最後に、運営会社の株式会社田園プラザ川場 のホームページに記載されている 永井社長のメッセージで、従業員に対する3つも大切にしてもらいたい目線を紹介します。
「田園プラザが買ってやっているなどと思ってはいけない。農産物を持ってきてくれる農家、商品を納めてくれる業者の皆さんがいて初めて田園プラザとして機能するのだ」
川場田園プラザは、過疎と言われた山村に、観光産業と雇用を生み出しました。従業員は、社員40名、パート・アルバイト100名、合計140名ということです。
- 1つ目の目線 お客様の目線
- 2つ目の目線 農業生産者様の目線
- 3つめの目線 納入業者様の目線
これを、人口比でもし、葉山町に置き換えると、1,400名の雇用を生み出している企業と言うことになります。そして、ヨーグルト、ビール、献上米「雪ほたか」を始めとした数々の川場ブランド品が、育っていき、高付加価値の農畜産物は農家の収入を押し上げました。
説明をいただいた同社の方に、田園プラザが参考としたモデルのテーマパークは?と言う質問に対し、「モデルはありません。常に、自分たちで考えてきました」という答えが印象的でした。
まだ、訪れていない方は、是非、一度、お出かけください。